ひとつ、ベッドの中






大きな窓の向こうには、満天の星。

外からは、引いては返す波の音が聞こえる。


誰も知らない、あたし達だけの夜が更けていく。






「あのな……」


修学旅行に来る前までに、お母さんとちゃんと話し合ってきたと、凌ちゃんは教えてくれた。


夜の仕事からも手を引いて

お酒も飲まないし、煙草ももう吸わない。


そう約束してくれた。


お母さんの生活はすぐには変えられないけど、今後、何か困ったことがあれば、できる限り力になりたいと凌ちゃんは言った。

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