黎明の舞踏会 第1章
「あっはっははっ!」
するとお婆さんは豪快に、愉快に、笑った。
「やらないやらない!こんなことするのは、世界中探してもここくらいさ!」
笑い続けるお婆さんを見つめながら呆然とした。
…知らなかった。
当たり前だと思ってた。
すると突然、お婆さんは私達の頭を軽く撫でた。
それはそれは包み込むような掌で。
「アンタたちは恵まれた国の恵まれた環境で育った、恵まれた子供だねえ。そのあったかい心を大切にするんだよ?」
シワを寄せながら、にっこりと笑いかけられる。