鏡の国のソナタ
「素奈多……俺は、おまえに会うために産まれた。おまえだけのものだ……」

驚いて硬直した素奈多の目の前に迫り、ふわっと抱き寄せる。


 ――ああ……うそっ……先輩のアップ……。


素奈多は、かちかちに固まって、クランの整った顔を見つめた。

「愛してる、素奈多……」

思いっきりシリアスな表情で愛の言葉を囁き、クランは顔を近づける。

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