鏡の国のソナタ
――うわっ……!



素奈多は混乱したまま、反射的に目を閉じた。

とんでもなく変な状況ではあったけれど、期待していないと言えば嘘だった。

先輩が好きで好きで、どうしようもなかったから、あんな得体の知れない卵に髪の毛を入れたりしたのだ。


目を閉じてキスを待っていると、素奈多を抱きしめた男の腕が、ふるふると震えた。

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