銀の精霊・森の狂王・時々、邪神
全身に、力が少しずつ戻ってくる。
体中の細胞が、水が、活性化していくのが感じられる。
そうよ、アグアさんには遠く及ばないまでも、あたしにだって水の力はある!
真っ暗だった目の前に、少しだけ光が差してきて、徐々に視界がハッキリしてくる。
体を覆っていた暗黒の水は、やがて完全に無色透明な水に変化した。不思議と呼吸ができるし、ちゃんと声も出る。
相変わらず天からは暗黒の雨が降り注いでいるけれど、あたしの体だけは黒く染まらない。
きっと水の力で守られているんだ。……ありがとう、水の精霊。
クリアになった視界の向こうで、アグアさんが立ち尽くしている。
真っ黒な塊りの奥の表情は分からないけど、おそらく唖然としているんだろう。
彼女は低い唸り声をあげ、肩をいからせたかと思うと、金切り声をあげてあたしに飛び掛ってきた。
あたしは正面から受け止め、アグアさんの両肩を両手でがっしり掴み、すさまじい怪力で暴れまくる彼女を全身で押さえ込もうとした。
ヘドロ、悪臭、ぬらぬらする肢体。
世界を汚染する元凶とガップリ絡み合いながら、これで水の保護膜が無かったらどうなっているだろうとゾッとした。
「アグアさん聞こえる!? 聞いて!!」
「ギャアアアッ!!」
格闘しながら、あたしは懸命に声を張り上げる。
誤解を、誤解を解かないと!
体中の細胞が、水が、活性化していくのが感じられる。
そうよ、アグアさんには遠く及ばないまでも、あたしにだって水の力はある!
真っ暗だった目の前に、少しだけ光が差してきて、徐々に視界がハッキリしてくる。
体を覆っていた暗黒の水は、やがて完全に無色透明な水に変化した。不思議と呼吸ができるし、ちゃんと声も出る。
相変わらず天からは暗黒の雨が降り注いでいるけれど、あたしの体だけは黒く染まらない。
きっと水の力で守られているんだ。……ありがとう、水の精霊。
クリアになった視界の向こうで、アグアさんが立ち尽くしている。
真っ黒な塊りの奥の表情は分からないけど、おそらく唖然としているんだろう。
彼女は低い唸り声をあげ、肩をいからせたかと思うと、金切り声をあげてあたしに飛び掛ってきた。
あたしは正面から受け止め、アグアさんの両肩を両手でがっしり掴み、すさまじい怪力で暴れまくる彼女を全身で押さえ込もうとした。
ヘドロ、悪臭、ぬらぬらする肢体。
世界を汚染する元凶とガップリ絡み合いながら、これで水の保護膜が無かったらどうなっているだろうとゾッとした。
「アグアさん聞こえる!? 聞いて!!」
「ギャアアアッ!!」
格闘しながら、あたしは懸命に声を張り上げる。
誤解を、誤解を解かないと!