俺様ホストに愛されて
「あんなの、話し掛ける為のただの口実に決まってんだろ?なんて声掛けようか迷ったんだよ」
その割には、あたしがハタチって聞いてびっくりした顔してたよね?
「ふーん……でも、あれはないんじゃない?」
高校生?って、最初聞かれたんだっけ。
その後、中学生って。
いくらなんでもそれはないよ。
拗ねたように、唇を尖らせて言ってやった。
相手をその気にさせるプロなんだから、もっと他に言葉があっただろうに。
「仕方ねぇだろ……⁉妃芽を前にしたら、緊張してあんなことしか浮かばなかったんだよ」
「リュウでも、緊張するんだね」
意地悪に笑ったあたし。さっきの仕返しのつもりだったんだけど。
「余裕ぶってられんのも今の内だからな」
不敵な声が聞こえたかと思うと、背中に回されていたリュウの手が後頭部に当てられた。
それをぐいっと引き寄せて、寝転んだままリュウの唇があたしの唇を塞ぐ。
「んっ……」
一度ほだされた体はリュウの温もりを覚えていて、キスだけで胸の奥の方が熱く疼く。
さっき愛し合ったばかりだというのに。
リュウのことしか考えられなくなる。
「今日は寝かしてやんねぇよ」
その言葉を最後に、あたしの体はリュウによって甘く溶かされていった。