俺様ホストに愛されて
過去
騒がしい店内。
明日がクリスマスイヴだということで、有線からはクリスマスソングばかりが流れていた。
冬休みの時期に当たる今日は、朝から中高生のお客さんで怒涛の如く大忙し。
「市井さん、立野さんと休憩行って来てー!手が足りないから、悪いけどすぐに戻って来てくれる?」
店長に言われて、あたしと市井さんはランチに行くことに。
ランチっていっても、この辺にはファーストフードのお店か立ち食いそばとかうどんしかない。
居酒屋とかゲームセンターがほとんどだからね。
サッと済ませたいので、どちらからともなく立ち食いうどん屋さんへ足を向ける。
「その指輪、アビーのでしょ?」
うどんが出されたところで、市井さんにそう聞かれた。
箸立てから割り箸を取って左手で渡した時に見られたみたい。
「えへ、そうです」
「いいな〜!そんな高価な指輪プレゼントしてくれる彼氏欲しいー!」
砕けた笑顔でにっこり笑うと、市井さんは豪快にうどんを啜った。