長い夜の甘い罠【完】


目が覚めればベッドの上で、辺りを見回すものの男の姿が見当たらない。

身体へ掛けられたシーツから身を起こし、クローゼットからバスローブを取り出し身を包みながらドレッサーに映る自分を見つめる。

首筋から鎖骨、胸元にまである無数の赤い痕。

足を上げて内股を見ると、そこにも幾つかの赤い痕が残されている。

この痕はやはり、男の嫉妬のあらわれなのだろうか。


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