長い夜の甘い罠【完】


「お前のお陰だ」


寝ている美咲の額にキスを落とし、頭をゆっくり撫でながらその寝顔に魅入る。

心を閉ざし、何を話すにも気持ちが込もっていなかったお前が、最近はよく笑う様になった。

それは決して、人工的に作れるものではなく自然が生み出したものと俺は思う。

恐らくお前は俺に復讐する為に近付いたんだろう。

先程の言い方や今日の誕生日の日を踏まえると絶好のチャンスだからな。

だが残念ながらお前が何らかの形で復讐してくる事は、想定内だったぞ。


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