長い夜の甘い罠【完】
鞄を手にして玄関へと歩み、ヒールを履くとドアノブに手を掛ける。
「…さようなら」
さようなら隼人。
「何がさようならだ」
「…え……起きてたの」
「最後みたいな言い方しやがって。帰るなら送る」
「いいえ、此処で大丈夫よ」
「ダメだ。送る」
「…もう」
隼人は車のキーを取り出すと、玄関を出て駐車場に停めてある車に乗り込む。
一人で帰る方が良かったのに。
一緒に帰ると、離れるのが名残惜しく思ってしまうもの…。