長い夜の甘い罠【完】
本当に楽しくて、一生の素敵な思い出が出来た。
マグカップを握り締める中、また涙が溢れ滴がぽたぽたとマグカップに落ちる。
あれからまだ一週間も経っていないのに、もう貴方が恋しい。
「…っ…会いたい…」
「俺にか?」
俺にか?
俺って……―――!?
「…は、は、はや…」
「奇遇だな。俺もお前に会いたいと思ってた所だ」
聞き慣れた低い声が耳を掠めれば、まさかと半信半疑な中振り返るとそこには、会いたいと思っていた人が立っていた。