隣のぼーいふれんどサマ。


あ。


俊哉は、もしかしてだけど、傘を持ってきてくれたのかな?


そういえばこの間その傘の思い出の話を、したときに言ってた。


「あのときは貸したかったけれど、貸せなかった。」


「お前に意地悪したくなっただけ。」


「俺じゃなくても貸してくれる人はいた。」


・・・そんな人いないって思ってたけれど、きっとあれは誰かが貸してくてた。


だから濡れないで帰ることが出来た。


それだけは覚えてるよ。




俊哉は本当に素直じゃないからなぁ。


傘、借りておけば良かった。


そうすれば今こうやって、好きでもない人(雅)と相合傘しなくて済んだのに。


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