初恋シグナル~再会は恋の合図~

「なんだよ、そんな見つめたってなんも出ねーぞ」


「睨んでるんです!!」


「へー。それは気付かなかった」



嘘つけ!


と思ったけど、そう言い返す前に辻村くんはすたすたと体育館を出ていこうと歩き出していた。




辻村くんが通るために人垣がサッと割れる。



……すごっ!!



きゃああ、と黄色い歓声に包まれながらも、そんなものまるで聞こえてないみたいに平然と歩を進めていく。



……もしかして、慣れてる?




「……なんか、嫌だな」


「ん?何か言った?」



甲高い歓声に私の声はかき消されて、誰に届くこともなく。


もう振り切ったはずのもやもやが、じわりじわりと、再び私の心を浸食しようとしている。



「美祈、しわ寄ってる!!」


「え」



ココ!と自分の眉間を指さして言う、びっくりしたような弥代の声に、私は反射的に眉間に触れた。



「どうしたのー。そんなに辻村くんと間接チューするの嫌だった?」



「……間接……」



チュー!?


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