濡れた唇【TABOO】
「もういい。お前が数学に興味がないことがよくわかった。俺のクラスで赤点とる奴はお前だけだし、課外授業をやってやるのもお前だけ、でもお前は数学に興味がない」
頬杖をついたまま首を傾げる。私の机の上にはテディベアの形をしたペンケースと先生が作ってくれたプリントが一枚。
静まる教室、足をぶらぶらとさせながら先生が次にどんなリアクションをするのか待つ。
「じゃあ、お前が興味のあることをしような」
先生は一生懸命黒板に描いた数字を全部消すと、また新しい数式を描いていく。
あ……先生の描いた数式はなんか綺麗。
「お前D組のバスケ部のキャプテンと付き合ってるだろ? お前が今まで生きてきた日数から、彼氏とデートした日数を割ろうか。それを学校に通った日数と比較して……てか、何回デートした?」
「一回」