カゼヒキサン。
ぱちっ

「目ぇ覚めた?」

…ここは……どこだ。

「道端に座り込んでたからびっくりしたよ、もー。あ、ここは交番。あたしの名前は戸島恵。メグちゃんって呼んでくれればいいからね☆」

ふふっ、て警察官のメグちゃんさんが笑った。

そしてあたしは、自分の額に冷えピタが貼ってあるのに気づいた。

「た、助けてくれてありがとうございます。」

「あはは、あたし警察官!助けるの当たり前じゃん☆あっ、あたしも敬語使えないから、敬語使わんでいいよ?」

「…分かった。メグちゃん。」

「そうそう!で、あなた名前は?」

「…若野瑞希。」

「瑞希かぁ。ミーちゃんね。」

「猫じゃないんですけど。」

「いいじゃない、ミーちゃん!ていうかさ、なんで倒れてたの?」

「…怒るだろうから言いません。」

「え~?怒られるようなことしてたの?正直に話しなさいッ、ミーちゃん!」

「…。」


その後、あたしはメグちゃんにいろいろ話した。

風邪をひいたという事。

なのにお出かけしたという事。

看病してくれていた友達と一緒にいたけど、はぐれたという事。

あんのじょうメグちゃんには

「ダメでしょうが!!」

って言われた。


「…で?」

「え?」

話終わった時、メグちゃんがニンマリ笑ってこっちを見た。

「で、って…話終わったんだけど。」

「ちーがうわよっ!その友達って、男の子?女の子?」

「…男、だけど。」

「看病っていつからしてたの?」

「昨日。」

「一晩一緒だったの?…まさか」

「なんもないよ。そういう間柄になる感じじゃないから。」

「あらそうなの?」

「…うん。」

「あらなにその淋しそうな感じ。もしかしてミーちゃんはその子が好きとか?」

「ち!ちがっ、ちがちがちが…違っ、違うから!」

「……ミーちゃん、素直なんだから!」

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