竜家の優雅で憂鬱な婚約者たち
「なんだよ」
エリの大声に、お客様の前だということを忘れたのか、ぞんざいに振り返る花沙。
「わかった、ボタン!」
「は?」
「そっかー袖口にボタンがあるんだ!」
エリは手を伸ばし、スーツの袖口を持ち上げていた。
『ただ、ボタンはフロントだけじゃない。さて、どこだ?』
堀田が来る前に花沙が出したクイズだ。
「――お前なぁ……」
花沙は軽くため息をつき、それから堀田に営業用スマイルを向ける。
「申し訳ありません、お客様」
「あ、いえ……」
「それでは、お客様がミスルトウにおいでになったのは、失礼ですが――このスーツの価値を調べて……お売りになりたいということでしょうか?」
ええっ!?
中古のスーツなんか売れるわけ!?
目を剥くエリだったが、どうやら図星だったようだ。
堀田は一瞬気まずそうに唇をかんだ後「はぁ……」とため息をついてうなずいた。
To be continued...
謎の男性は、どうやらスーツを売りに来た?
スローペースですみません。
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