竜家の優雅で憂鬱な婚約者たち
それから一週間、何の問題もなく時間は過ぎた。
マー君からは一度だけ携帯に着信があったけれど、エリが返さなかったらそれっきりだった。
一年半も付き合っておいて、こんな風に終わるなんてね……。
エリはため息をつきつつ、社員食堂で携帯をもてあそぶ。
仲直り、する?
いや、しないだろうな……。
今までなら、自分から復縁するために歩み寄ってきたけれど、今回はそんな気にはなれなかった。
「はぁ……」
頬杖をつき、窓の外を眺める。
確かにマー君はひどかった。あんなふうに話のタネにされるなんて、屈辱以外の何物でもない。
けれど、そもそも、自分だって彼を100パーセント責めることはできない。女らしくないのは本当だし、寂しい、誰でもいいから優しくしてほしい、というそれだけで、ずるずると付き合っていたのだから。
変な話、マー君が「正社員の職も見つけた。結婚しよう」と言えば、自分は逃げただろう。