竜家の優雅で憂鬱な婚約者たち
――――……
彼らは「竜家の三兄弟」と名乗った。
「私が雪光。そして月翔、花沙だ」
エリの座ったソファーのテーブルを挟んだ向こうに雪光が座り、彼の後ろ、向かって左に月翔、右に腕を組んでどこかだるそうな花沙が立っている。
彼らは全員、意匠は違うがスーツを身にまとい、存在だけで妙に気圧される雰囲気を持っていた。
「私は……舎李樹衿子です……。25歳です。で、あなた達はいくつなの?」
「雪兄が32、月翔が25で、俺が22」
応えたのは花沙だ。
彼らは見事に、エリの年上、同い年、年下と別れているらしい。
「私たちは全員、師匠……エリの父親の弟子にあたる」
「そう……それで……」
この三兄弟は、全員、スーツのプロというわけだ。
エリはこっくりとうなずく。