竜家の優雅で憂鬱な婚約者たち

そうだ。

それ以外に選択はなかったから、仕方ないんだ。


エリは何度も自分に言い聞かせ、自分の部屋から持ってきた小物類をチェストの上に並べ、ふと、目を細める。


Camelliaでせっせと集めた小物たちも、部屋の雰囲気にあうようだ。

物に意識があると思っているわけではないが、やはり無機質なマンションの自分の部屋よりも、雰囲気のある美しい部屋に飾られてどこか喜んでいるようにも見えた。



三兄弟が住む屋敷は、坂の上から街並みを見下ろせる古い洋館だった。

一階に食堂や浴室、立派な応接間、そして図書室まであり、螺旋階段からのぼった二階にそれぞれの部屋がある。


エリは一番奥の部屋を使わせてもらうことになった。


天蓋つきのベッドも、ベージュの小花柄の壁紙も、古い家具たちも、その場に飛び跳ねたいくらい気に入ったが、一応「仕方なく来ている」ことを思い出し、兄弟たちの前では顔を引き締めた。



「シャワーを浴びた後、お茶にしましょう。一階の食堂に集まってください」

「はい」



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