竜家の優雅で憂鬱な婚約者たち
月翔の言葉に、エリはこっくりとうなずく。
この家の食事全般は、次男である月翔が一手に担っているらしい。
朝からずっと引っ越しの作業で働き詰めだったため、おなかはぺこぺこだった。
手早くシャワーを浴び、着替えて階下の食堂へと向かうと、すでに花沙と月翔は、テーブルについて食べ始めているところだった。
十人くらい座れそうな長方形のテーブルの上には、いろんな具が挟まったサンドイッチが用意されている。
それにアツアツの紅茶も。
エリはウキウキしながら、とりあえず花沙の隣に座った。
「いただきまーす!」
手を合わせてから、サンドイッチを手にとり、ほおばる。
ハムとキュウリ、チーズのサンドイッチは、野菜はパリパリと新鮮で、マスタードがきいていて、とてもおいしかった。
「おいしい! そういえば、雪光さんはお仕事なの?」
エリの引っ越しの手伝いをしてくれたのは、花沙と月翔の二人だけで、朝から雪光の姿はなかった。