竜家の優雅で憂鬱な婚約者たち

「ええ。採寸に行っています」

「手伝わなくていいの?」



てっきり三人でいつも仕事をしていると思っていたエリは、素朴な疑問として投げかける。



「今日はミスルトウじゃなくて、出張で出かけてんだよ。で、雪兄ご指名だし」

「出張……そんなこともするんだ」



てっきりあそこにふんぞり返って、お客様を待つ殿様商売かと思っていた。



「出張料はいただいてますからね」



月翔は優雅に紅茶を口に運び、ため息をつく。

それからじっとエリを見つめ、優雅に首を傾げて微笑を浮かべた。



「あなたにも手伝ってもらいますよ」

「ふーん……え、ええっ!?」


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