竜家の優雅で憂鬱な婚約者たち
Camelliaのアルバイトは続けて、また、同時にMistletoeでも働く。
のんびりアルバイトのはずだったのに、急に忙しくなりそうだ。
が、いつまでも受け身でいられない。
とりあえず必死で働いて、お金をためて、小さくてもいいから自分の部屋を借りられるようにならなくてはと自分に発破をかける。
結婚云々だって、諦めてもらわないと……。
いくら兄弟がイケメンだからって、お互い好きでもないのに結婚するなんて変だし!
「エリ、メシ食ったら俺とデートしようぜ」
背後からいきなり肩を抱かれて、花沙が顔を覗き込んでくる。
「ふごっ!?」
「テーブルを汚さないでください」
「――ごっ、ごめんなさい……」
あやうく豪快に口の中身を噴き出しそうになったエリだったけれど、紅茶でそれを流し込み、月翔に頭を下げた。