竜家の優雅で憂鬱な婚約者たち

「ちょっと休憩するか」

「うん」



花沙と一緒にコーヒーショップに入ると、列が出来ていた。

最後尾に並びながら、花沙が問いかける。



「何飲む?」

「ソイラテ。アイスで。トールサイズがいいな。喉渇いたし」

「わかった。空いたとこ座って待ってな」

「――うん。ありがとう」



言われたとおり、窓際にある空いた席に腰を下ろすエリ。


生意気に見えて、意外に花沙という男は気が利いて、一緒にいると過ごしやすいことにエリは驚いていた。


もしかして……花沙って結構いいやつ?

っていやいや何考えてるの、私ったら。


ちょっといい男と一緒に過ごして、悪くなかったからって、いい人認定するなんて、浅はかすぎるわ。

彼は私よりも店が欲しいだけで、そのためならどうでもいい女の私にだって、優しく振舞えるに違いないんだから!




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