ラララ吉祥寺

あれ?

イタタタ……

予定日にはまだ一週間ほど早いというのに、急にお腹が痛みだした。

これは拙い。

深呼吸、深呼吸。

私は身体をリラックスさせようと、お腹かをさすりながら呼吸を整える。

イタタタ……

これは……、気のせいではない、よね?

私は腕時計をチラリ見て、痛みの間隔を密かに計る。


木島さん……、早く戻って来て!

広場の向こうから、フラツキながらも進んでくる紡の後を木島さんの大きな身体が追ってくるのが見えた。

私はお腹を抱えながらベンチから立ち上がると、駐車場に向かって歩き出した。

咄嗟に頭に浮かんだのは紡のこと。

あまり騒いで紡を動揺させてはいけない。


木島さん……、気が付いて!


このまま出産となると、バタバタするなぁ〜

一度荷物を取りに戻って、それから入院でも間に合うかな?

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