ラララ吉祥寺

「ハナ、ハナ!」

保育園から帰るなり、妹のもとへ真っ先に駆け寄る紡。

「ホラホラ、先ず手を洗って」

「は〜い」

「ねぇ、かあしゃん、ハナはほいくえんにはいつからくるの?

そしたらぼく、ハナのめんどうちゃんとみるのに」

「そうねぇ、もう少ししたらね」

正直、乳児保育の枠は狭い。

私みたいな在宅事業主はなかなかその枠には入れない。

入れて2〜3歳枠からかなぁ。

まぁ、今、華を連れて行かれたら私が寂しいというもあるけれど。

寝て起きてお乳を飲むだけの乳児の世話は、絵を描きながらでもなんとかできるのだ。

動きだしたら大変だけど、紡と違って華は女の子だから、駆け回るということもないんじゃないかしら。

「ただいま、ハナは?」

おっと、もう一人の華崇拝者が戻ってきました。

「こっちですよ」

「おぉ〜ただいま。紡もおかえり」

「とうしゃん、ハナがあくびした」

「ほんとだ、小さな口だな」

「ホラホラ、木島さんも先ず手を洗って」

「そうだった、殺菌殺菌、ハナが病気になったら大変だ」

「たいへんだ!」

まったくもって、この年で二人の男を手玉に取るとは、華は末恐ろしい悪女になるのでは?
< 354 / 355 >

この作品をシェア

pagetop