ラララ吉祥寺

「うっ……、ご、ごめんなさい……」

と、突然口元を押さえて芽衣さんが立ち上がった。

「芽衣さん?」

やはり体調が悪かったのだろうか?

わたしは心配になって、トイレに駆け込んだ芽衣さんの後を追った。

「大丈夫ですか?」

「ご、ごめんなさい。なんか急にむせちゃって。

お腹は減ってる筈なんだけど、胸焼けみたいで……、うっ……」

食中り?自家中毒?胃炎?

もしかして……、つわり?

まさかね。

「先、始めててください。治まったら行きますから……」

「はい」

わたしは取り敢えず引き下がって食堂へ戻った。
< 71 / 355 >

この作品をシェア

pagetop