それでも、愛していいですか。
「みんな帰りはどっち?」
高広に尋ねられた女性陣は、自分たちの家の方を指差すと、奈緒だけが違う方角だった。
「あ、私だけあっちだ」
奈緒は肩をすくめて笑った。
すると。
「送っていくよ」
さらりと雅哉が言った。
その気遣いが嬉しかったが、
「大丈夫。そんなに遠くないから」
と遠慮した。
「ううん。送っていく。夜道を女の子一人で歩かせるのは心配だから」
雅哉は奈緒の目を見つめた。
照れくさくて、つい目を逸らせてしまう。
「奈緒、送ってもらいなよ」
美穂は奈緒の腕を肘でつついた。
「え、でも……」
奈緒が言いよどんでいると、ほかの四人が気を利かせたのか、
「じゃあねぇ」
と手を振って、反対方向へ歩き出してしまった。
「あ……」
奈緒が呆然と四人の背中を見送っていると。
「僕らも行こう」
「ごめんなさい。ありがとうございます」
奈緒が頭を下げると、雅哉は、
「そんなに恐縮しないでよ」
と、にっこり微笑んだ。