色彩恋愛
屋上のドアに手をかけたとき、ドアの隙間から翔太と藤井綾の姿が見えた。
翔太は相変わらず寝ていた。
翔太の昼寝癖は昔からだ。
いつでも、どこでも、あいつは寝てしまう。
そんな翔太を俺達はいつもほっといていた。

しかし、藤井綾は違う。

藤井綾は、寝ている翔太をみて顔を少し赤らめて微笑んだ。

あいつは、翔太のことが好きなのか?

俺は、少し衝撃を受けた。
恋を純粋にしている奴を見たのは人生で2度目だった。
胸の奥にジワリと黒い感情が沸いた。

―壊したい。

という感情が…。
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