色彩恋愛
「なんでさ、こんな天気が良くてのんびりできるのに、俺達って『高校生』なんてやってるのかな?」

俺の素朴な疑問に、綾は少し驚いた表情をした。

「…うーん、社会的な理由は知識ある大人になるように勉強とかする為とかだと思う。」

社会的…
息苦しい団体って感じだ。

「でも…」

綾は、少し顔を赤くして

「私の場合はね、好きな人と一緒に過ごす時間を、1分でも1秒でも多く過ごしたいから『高校生』やってるのかもしれない。」

あぁ…、思い出した。

あの時、君も同じことを言ってた。

『私は、翔太と1秒でも多く一緒にいたい。』

昔のことを思い出して、少し懐かしい気持ちがした。
あの時、俺も同じ気持ちだった。
そして、今も変わらない気持ち。
まだ俺は君のことを…
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