向日葵
…キーンコーンカーンコーン

始業のベルが鳴り響く。
「ふぃー、ぎりぎりセーフ。」


間一髪で飛び込んだ俺は真尋の席を見る。

「昨日あの番組見た?」
「くーちゃんの新曲よくない?」
「昨日の宿題見せて?」



相変わらず女の子に囲まれてやがる。誰にでも優しい笑顔を向ける君は皆の憧れ。。
そんな君に何度焼き餅を焼いたか。
そしてそれ以上に、君の周りにいる子たちに。。

そして自分の席に戻る。俺の席は窓側の一番後ろ。
彼女とは対角線上に一番離れてるけど、春の木漏れ日が最高に気持ちいいから結構満足している。

「ん〜、おやすみ」

誰にともなく呟いて朝寝をしようとしてると。。


…バシッ

「朝一早々に寝ようとしてんじゃねえよ、馬鹿祐介!!」

「…んあっ?
真樹かぁ。俺の邪魔を……するな。」


…コテッ

この朝っぱらから人の頭を叩く失礼な奴は真樹(まき)。
こいつとは高校に入ってすぐに知り合ったんだ。外見はちょっと普通じゃないけど、本当は周りに気を使える心の優しい奴。
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