Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~
「花が私に普通に接してくれて、本当に嬉しく思ってるわ」
え?と聞き返すと、サンゴちゃんは寂しそうな笑みを口許に浮かべた。
「物心ついた時から、自分が好意を寄せる相手は男の子だったの。初恋の子も男の子だったし、それは今も変わらないの」
別に、女の子になりたかったわけじゃないとサンゴちゃんは続けた。
「女の子の遊びの方が好きだったから女の子の友達が多かったのは確かだわ。でも私は私だし、それを変なことだって思わなかったの」
お爺さんがイタリア人で血筋なのか成長期を迎えるとぐんぐん背が伸び、男子、女子と区切られるようになってから違和感を感じるようになった。
窮屈な制服を着て通わなければならなかった中学時代が一番苦痛だったとサンゴちゃんは言った。
「もぅ、その頃からこんな喋り方だし、今となってはオネエなんて呼ばれる人がテレビにたくさん出るようになったから、身近に私みたいな人がいてもだいぶ周りが受け入れてくれるようになったけれど、中学生なんて面白がってからかうから、オカマ野郎なんて言われて辛かったわ」
高校を出て、サンゴちゃんは以前から興味のあった料理の道へ進んだ。専門学校に通い、調理師免許を取得した後、都内で有名な高級レストランに住み込みで入った。
「考えてみればあれが地獄の始まりだったわ」
サンゴちゃんが飛び込んだ職場は完全な男社会で、サンゴちゃんは自分がゲイであることを必死に隠していた。
喋り方も仕草も男を意識して。
仕事を始めて、3年が経つと、後輩も出来、サンゴちゃんもメインの料理を任せられるくらい腕を上げた。
「料理の腕が上がって重要なお客さんを任せてもらえるのはすごく嬉しいことだったし、誇りだったわ。虎ちゃんと会ったのもそんな時ね。虎ちゃんの叔父さんが業界人らしくて、接待によく同席してたの。テーブルに呼ばれたこともあるし、男前だから印象に残ってたの」