世界が終わる時の景色



「こちらでございます、お嬢様。

旦那様がお待ちです」

「ありがとう」


先に志乃の父を案内していた総統括が、志乃を連れて行く。

そして彼は、一瞬だけ篠山を見た。


「…?」


―「来い」


その唇が、そう言ったような気がして。

黙ってその言葉に従う。


料亭というよりは旅館のような内装。

煌びやかな南十字邸とは違い、落ちついた雰囲気。

こういう方が好きだと、思わず頬を緩めた時。


「篠山」

「…何でしょうか、総統括」



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