ルピナス





「今度の火曜日にね、僕、大学に行くつもりなんだよ。」


どんな恐ろしい話をするかと構えていた弓月にとっては、あまりにも拍子抜けな他愛無い話だ。

どう反応すれば良いものかと戸惑ったが、彼女は適当に相槌を打つ。


しかしどうしたものか、彼の一言で弓月は何かに引っ掛かる。
…が、何だか考えてるうちに、真澄が答えてくれた。



「今度の火曜日、この学校、創立記念日で一日休みでしょう?」

上目遣いがちで真澄は視線を寄越し、
弓月はハッと息を呑む。


「…そうでしたね。」

「うん。そうなんだよ。
それで例の頼みなんだけど、

その日、僕と一緒に大学に来てくれないかな?」


…その脈絡の有る様な無い様な頼み事に、弓月は只々首を傾げる。




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