KIGEKI

現在の時刻16時30分

残り20分で何とか花園を説得して委員会に出席しなければならない。


どら○もんと言ってしがみついてきた宮澤に河端はにっこりと裏のありそうな笑顔を向けた。


「仕方ないなー。助けてあげるよ、の○太くん。」


「どら○も~ん!!」


「たらららったら~、スズナちゃ~ん。」


そういいながら、嶋崎の方を見る。嶋崎は四つ折りにした紙をもっていた。宮澤はそれをうけとって、書かれている文章を読んだ。


「これって・・・・。こんなんでうまくいくの?」


「さぁ?道具は、道具でしかないからね。頑張ってくれよ、の○太くん!!」


そう言って、河端は宮澤の背中をポンと押した。


「ちなみに、花園君の噂は本当らしいです。彼は、元天文部の部室に女の子といるそうです。」


背中越しに、あまりうれしくない情報をもらいながら宮澤は教室を出た。


元天文部の部室は、北館4階階段横。生徒も教師もあまり利用しない北館の4階。怖い話とか結構多い北館の4階。やんちゃな人達が沢山集まっていると噂されている北館の4階。

いいイメージのない北館4階に、宮澤は足早に向かった。

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