初恋の宝箱

「失礼しました!」

恥ずかしさマックス

しかも間違えたのが1年生の教室なんて

きっと、少なくとも半年間は自分が『教室を間違えた先輩』として認知されることを桃子は覚悟した

2階にある2年4組の教室の前に着いた桃子はしっかりと『2年4組』と書かれたプレートを確認すると、扉を開けた

いつもの見慣れた顔に桃子は安心した

「遅い!」

安心したのも束の間、担任の柳瀬 正(やなせ ただし)の声でその安心は崩壊された

「すいません」とボソッと言い、桃子は自分の出席番号のすぐ後の篠田 さつき(しのだ さつき)の前の空席についた

大体、新学期の1ヶ月間は出席番号順に座るのがお決まりだ

「おはよ」

連絡事項の続きを言う柳瀬に睨まれながらバツの悪そうな顔をして座っている桃子に後ろの席に座る、さつきが声をかけてきた
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