金色のシッポ
座る場所もないので俺たちは外の賽銭箱の上に腰掛けた。
「ほ…本当にここに住んでいるのか?」
「そうだよ?」
当然のように言う彼女はどこか寂しそうでもあった。
「家族はいないのか?どうやって生活してるんだ?」
「それ、言わなきゃだめかな?」
「いや、言いたくなければいいけど…」
一体なんなんだ彼女は。
さっきまでクラスメイトだった彼女が急につかみどころのない遠い人になってしまった気がする。

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