【番外編】惑溺 SS集
恐る恐る振り返ると、まっすぐに私の事をみつめるリョウと視線がぶつかる。
「俺が、結婚する気なんてないと思う?」
私を見下ろす切れ長の黒い目が、私を試すように微かに細くなった。
「将来の事なんて何も考えてないと思う?」
黒い髪の間から見える綺麗な瞳の中に、彼を見上げる私の姿が映っていた。
「何も考えてない女に思わせぶりに指輪を渡すとか、そんな無責任な事すると思う?」
リョウの言葉の意味を必死で頭の中で考える。
それは、どういう意味なのか。
「でも、だって……。リョウはまだ24歳だし……、」
「……っ。本当に面倒くさい女だな」
混乱しながらそう言うと、舌打ちをしながら後ろからリョウの腕が乱暴に私の体を抱きしめた。
「ちょ……、リョ……っ!」
「お前、一回黙れ」
長い指に顎をつままれ、一気に唇を塞がれた。