【番外編】惑溺 SS集
 
「んん……」

舌先を絡ませ、かるく歯で食まれ、思わずびくりと身体が跳ねる。
すっかりおとなしくなった私にリョウは唇を離すと、手の中に持っていた指輪を私に見える様に掲げた。

さっき私の右手から取り上げたそれを、今度は私の左手の薬指へとそっと通す。

それを呆然と見ている私の耳元で、

「ちゃんと考えてる」

リョウは静かにそう言った。

「この先もずっとお前といられるように、結婚のこともちゃんと考えてるから」

「リョウ……」

それって、プロポーズ?

そう思ってリョウの事を振り返ろうとすると、

「それに、お前みたいにいちいちいじける面倒な女、相手する物好きは俺くらいだろ」

と、耳元でリョウがくすりと笑った。
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