【番外編】惑溺 SS集
「自己嫌悪……?」
私の問いかけに答えるのが面倒なのか、返事のかわりにぎゅっと腕に力を込める。
鼻がつぶれそうなくらい胸に押し付けられて、息苦しいけどなんだか落ち着く。
「さっき、博美から電話があって謝ってたよ」
リョウの腕の中でもごもごとこもった声でそう言うと、リョウは肩が落ちるくらい大きなため息を吐き出した。
「なんて?」
「なんか、聡史が絡んで余計な事いってゴメンとか……」
「ああそう。
じゃあもう二度と店に来るなって言っといて」
「……っ!」
そう冷たく言ったリョウに驚いて顔を上げると、
「冗談だよ」
二日酔いでだるいんだろう。
気だるげに目を閉じたままでため息をついた。