【番外編】惑溺 SS集
顔にかかる艶のある黒い髪。
リョウの夜色の瞳の中に、私の姿が映る。
ただ目を見開いてみつめ返す事しかできない私に
「その口紅、似合わないからとってやるよ」
リョウが目を伏せながら、静かに笑った。
私の唇の上の鮮やかな色を拭い去るように、リョウの柔らかな舌が私の唇をゆっくりとなぞった。
「んっ……!!」
その甘い刺激と驚きに私が声を漏らすと、黙ってろとでも言うように、強引に体を引き寄せて、ゆっくりと唇の上を這う甘い舌。
心臓が、止まるかと思った。