【番外編】惑溺 SS集

眉をひそめて私を見下ろす表情が、どうしようもなく色っぽくて、ドキドキしながら近づいた。

「酔っ払いふたりも連れてきて騒いだら迷惑だよね。
ごめんねリョウ」

彼の白いシャツのすそをそっと掴んで、恐る恐るリョウの顔を見上げた。


「……何?その顔」

つかまれたシャツを振り払うでも、掴んだ手を引き寄せるでもなく。
私の出方を面白がるような表情で、リョウは微かに首を傾げて微笑む。

その微笑みに、私の心の中まで見透かされてしまいそうで、カッと頬が熱くなる。
思わずシャツを握ったままうつむいた。


「それ、わざと?それとも、天然?」

クスクス笑いながら、リョウの綺麗な指が私の睫毛にそっと触れる。
矢野くんの言葉をわざとまねした様な意地悪な言い回しに、ますます頬が熱くなる。

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