【番外編】惑溺 SS集
するりと小さな衣擦れの音をたてて、右肩からワンピースが滑り落ちる。
大きく開いた首元に、リョウが顔をうずめ鎖骨に音をたててキスをした。
その唇が私の肌に触れるたびにたてる音は、まるで私を煽るみたいに挑発的で。
静かな店内に、私の乱れた呼吸がやけに大きく響いた。
「ん、リョウ……っ」
頬に触れる柔らかい髪と、肩に触れる熱い唇と、背中に触れる冷たい手。
もう私の身体は、どこを触れられても肌が粟立つほど敏感になっていて、彼の吐息が肌に触れるだけで眩暈がして声が漏れた。
「……そういえば」
ふと、顔を上げてリョウがつぶやいた。
「何……?」
「そういえば、ドアの鍵閉めてない」
虚ろな瞳で首を傾げた私に向かって、リョウはそう言って意地悪に笑った。
「……え?」