【番外編】惑溺 SS集
今にも肩から滑り落ちそうなほど乱された服を必死で胸の前で押さえて、なんとか首を振る。
「や、リョウ待って……」
こんなとこで、ダメだって。
お店のカウンターの中。
もし扉が開けば、一番に目に入る場所で、こんな事……。
「イヤ、じゃねえよ。自分から煽っておいて。
そんな顔したからってやめてやるほど、俺は優しくない。
……知ってるだろ?」
綺麗な唇をわざと歪めて、耳元で低くささやく意地悪な男。
私が口を開く前に、その唇で言葉を奪われた。
飲みこまれた反抗の言葉の代わりに私は手を伸ばして、リョウの肩に爪をたてた。