宝物〜絆〜
 それから一夜明けた金曜。結局バカ西は、今日も学校を休んだ。まあ予想はしてたけど、ちょっと休みすぎじゃね? 単位大丈夫なんかな、とか余計な心配をしてしまう私。

 ともあれ今日は平和に一日が過ぎた。

 しかし放課後には、そんな平和を壊すように再び暗雲が押し寄せてきた。西の空はそれを予知するかのように、どす黒い雲に覆われている。

 学校から帰る為に校舎を出て歩いていると、校門には見知らぬ五人の男と、水曜に秀人か立川が軽くぶっ飛ばした男のうちの一人、金髪の坊主頭が立っていた。

 言うまでもなく、私たちの客だろう。

「待ってたよ。こないだはうちのもんがお世話んなったみたいで、どうも」

 黒い髪をオールバックにした男が話し掛けてきた。

「あれ? 今日は中西、来てねえの?」

 立川がわざとらしく問い掛ける。

「今日は来てねえよ」

 前回も居た金髪の坊主頭が意外にもバカ正直に答えてくれた。

 つか、今日はって事は、やっぱ前回は居たんだな。

「それがどうした?」

 ガタイの良いスキンヘッドの男がイラついた様子で唾を吐く。

「別に。あいつ今日学校休んでたから聞いただけだよ」

 確証を得た立川は、既にどうでも良い話のようにしれっとした口調で流した。
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