BirthControl―女達の戦い―
「久枝さん、おはよ
私、そんなに浮かない顔してた?」
「してたしてた、せっかくの美人が台無しだぁね」
ケラケラと笑いながらそう話す久枝は、ここに来てからもう5年が経っている。
家族から引き離されてここに来る多くのお年寄り達は、日本の未来のためだからと、文句も言わずにここで生活していた。
久枝もその一人だったけれど、ここで働く女性達の悲しい姿を目の当たりにするにつれ、今の政治に疑問を持つようになっていた。
子供が出来ない悩みを抱えながらこの施設で一生懸命働く女性達にとって、久枝は唯一の癒しの存在となっている。
元気のない職員を見つけては、こうして声をかけてくれるからだ。
「久枝さん、ありがと
大丈夫だから……」
私、そんなに浮かない顔してた?」
「してたしてた、せっかくの美人が台無しだぁね」
ケラケラと笑いながらそう話す久枝は、ここに来てからもう5年が経っている。
家族から引き離されてここに来る多くのお年寄り達は、日本の未来のためだからと、文句も言わずにここで生活していた。
久枝もその一人だったけれど、ここで働く女性達の悲しい姿を目の当たりにするにつれ、今の政治に疑問を持つようになっていた。
子供が出来ない悩みを抱えながらこの施設で一生懸命働く女性達にとって、久枝は唯一の癒しの存在となっている。
元気のない職員を見つけては、こうして声をかけてくれるからだ。
「久枝さん、ありがと
大丈夫だから……」