BirthControl―女達の戦い―
遥香を無事に救出できたのはありがたいが、主犯格二人を逃した事実は大きい。


今後また反政府組織として、対立する時が来るかもしれないのだ。


そういった不穏分子は、早いうちに潰して起きたかったのだが……


しかしここまで仲間を失って、今は二人だけだ。


組織を建て直すにはかなりの時間がかかるだろう。


「申し訳ありません

しかし、どうやら主犯格の二人は最初からいなかったようです

我々と取引を申し出ていたところをみると、この場所を特定されないために、敢えて別の場所から連絡してきたものと思われます」


まあそれも意味がなかったがな……と譲は思う。


わざわざここを離れてまで守ろうとした仲間は、自分達がいない間に皆殺しにされたのだ。


もしもリーダーがここにいたのなら、いち早く危険を察知して、ここまで仲間を失うことはなかったかもしれない。


この事実を知れば、自分達の選択を後悔するだろう。


そして遥香を人質にとった代償の大きさを感じるに違いない。


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