BirthControl―女達の戦い―
もしかするとやはり死んでいるのかもしれない。


注意深く青柳を避けながら、操作するためのコンピューターの前に立った。


どこをどうすればいいのか、機械音痴の要には予想がつかない。


これが梨央ならなんなく操作出来るだろうに……


そう思ってから、要は梨央に連絡すればいいんだと思い付く。


「梨央?聞こえるか?」

無線で梨央を呼び出すと、目の前の難関を詳しく説明した。


「さっきまで映像で見てたから、だいたいのことはわかってる」

機械音痴のくせによく志願したものね?」


「うるせ、あそこで遥香を行かせるわけにはいかないだろ?」


「まっ、それもそうだけど

じゃ、説明するから順番にやってみて?」


そう言われて、梨央の言う通りに操作していくと、しばらくしてベルトコンベアーが動き出した。


細かい設定も完了して、これで風呂場のお湯は出るだろう。


「じゃあ、お湯が出ることを遥香に伝えてやってくれ

私もすぐ向かう」


「OK、くれぐれも気をつけてね?」


無線が切れて一息つくと、遥香たちの元へ行こうと振り向いた。


「――ッ!」


倒れていたはずの青柳がいない!


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