BirthControl―女達の戦い―
「ごめ……なさい……

待てなかった……

久枝さんのカプセルを止めたかった……

間に合わないかもしれないけど……

もうダメかもしれないけど……

焼却して久枝さんが生きていたことをなかったことになんか出来ないと思って……

必死だった……

青柳が死んでも構わないって思った」


そう言った遥香の体を要はギュッと抱き締めてくれた。


「もう……いい

後は私たちがやるから

久枝さんのことも丸山先生が何とかしてくれてるはずだ」


要の言葉を聞きながら、丸山もまたこの施設に入ってくれたことを知る。


丸山が約束通り、久枝の救出に向かってくれていることが遥香はとても嬉しかった。


「……ありがと」


そう言って力なく笑顔を見せると、要は辛そうな表情で遥香を立たせる。


要の肩を借りながら、何とかA棟に続くドアの方へと歩き出した。


青柳の部屋を通り過ぎ、エレベーターへと向かう。


一階に着くと、遥香を気遣うようにゆっくりと誘導しながら、要は丸山のいる奥の部屋へと連れていってくれた。


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