BirthControl―女達の戦い―
何かがOldHomeで起きている。


父は間違いなく裏切る行為をしているんだろう。


(……そういえば百合子は?

今日も仕事なんだろうか?)


「お母さん、百合子さんは今日も仕事なの?」


父のことを訊ねた時には茫然自失だった母も、百合子のことを聞かれるとハッと我に返った。


それから顔面蒼白なままで、小さく答える。


「今日は……休んでるの……

お父さんに言われて確か休んでるはず……」


そう言いながら母は辻褄が合ったような顔になる。


しのぶもそんな母を見ていて、これが偶然ではなく、計画的なものだったんだと悟った。


その時、買い物から帰ったらしい貴和子と百合子が、リビングに入ってきた。


しのぶや母の様子を見て、どうしたんですか?と言いながら近づいてくる。


何も言えずに黙ってテレビの方に視線を戻すと、それにつられたように百合子たちも見た。


ゴトンと音がして、百合子が叫ぶ。


「先生!?」


見ると持っていた荷物を床に落として立ち尽くしている。


「ここ……OldHome……ですよね?

なんで先生が?

それにこのカプセルはいったい……

あっ!遥香さん!」


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