BirthControl―女達の戦い―
「どうかしら……

あなたの奥さんだって、人が変わればもっと快感に溺れるのかもしれないわ?」


そう意地悪を言ってみたけれど、彼の耳には届いていないようだった。


そのくらい礼子に必死に取り入ろうとしている。


(若いっていいわね……)


快感が得られたことを愛情だと勘違いする宮田を見て礼子は可笑しくなる。


そんなものは愛情なんかなくたって、その気になれば得られるものだ。


知らず知らずのうちに男を悦ばす術を身につけた礼子にとって、宮田はもっとも落としやすいタイプの男だった。


(まあ、私にとっては都合がいいから構わないけど……)


そう、都合がいいことには間違いない。


礼子にとって相手が誰だろうと構わなかった。


ただどうせなら若くていい男に越したことはない。


もし子供が出来ていれば、四度目の出産となる。


初めて自分で育てるなら、少しくらい好みの男の方が結婚生活も楽しいかもしれない。


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